2018年1月現在、ビットコイン価格は、1年前と比較すると10倍以上になっています。

しかしながら、日本人でこの価格高騰にうまく乗れた人と言うのは意外に少ないのではないかと思います。

 

仮想通貨の高騰に乗れなかった日本人が多い理由として、そもそも日本語訳である「仮想通貨」という名前自体がすぐに消えてしまいそうでダメだったんじゃないかとか、日本には新しいものを受け入れにくい風土があるんじゃないかとか、色々なことが言われています。

 

 仮想通貨とは何かについての記事でもお話しましたが、海外では仮想通貨ではなく「暗号通貨(Cryptocurrency)」と言います。

 

しかしながら、当サイトとして最大の原因だと思っているのは、2014年に発覚した「マウントゴックス事件」です。

この事件があったために、「仮想通貨なんて、やっぱり怪しくて危ないものだったんじゃないか!」とほとんどの日本人が思ってしまい、その結果として仮想通貨バブルは一部の「冒険者」だけが恩恵を受けたものになってしまいました。

 

というわけで今回は、ビットコインの歴史上で最大の事件ともいわれる「マウントゴックス事件」についてお話したいと思います。

 

そもそもマウントゴックス社とは?

マウントゴックス事件の前に、マウントゴックス社についての基本情報を簡単にご紹介します。

 

マウントゴックス社の設立は2009年。拠点は東京の渋谷にありました。

 

マウントゴックスという名前は「Magic The Gathering Online eXchange」という名前の頭文字をとったものです。

なんと、最初はビットコインはまったく関係なく、「マジック・ザ・ギャザリング」というカードゲームのカードをオンラインで売買する取引所だったんですね。

 

 一時期、小学生の間では、「マジック・ザ・ギャザリングか、遊戯王カードか」というくらい流行っていた有名なトレーディングカードゲームです。
地域にもよるかと思いますが。

 

2010年にはビットコイン取引の事業に転換し、2014年の破綻当時には世界最大の取引量を誇るビットコイン取引所でした。

(なんと、2013年4月には世界のビットコイン取引量の70%をマウントゴックス社だけで占めていました)

 

マウントゴックス事件の概要

現在、日本最大の取引所であるビットフライヤーでさえ及びもつかない「全ビットコイン取引の7割」のシェアを誇ったマウントゴックス社ですが、2014年に大事件が起こります。

 

2014年の2月に、ハッキングによって85万BTCが消失したと発表されたのです。(85万BTCは、当時の時価で470億円前後、現在の時価ではなんと1兆円以上)

事件の内容は当時の日本経済新聞が詳細に伝えています。

 

インターネット上の仮想通貨ビットコインの取引所「マウントゴックス」を運営するMTGOX(東京・渋谷)が28日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、同日受理されたと発表した。債務が資産を上回る債務超過に陥っていた。
顧客が保有する75万ビットコインのほか、購入用の預かり金も最大28億円程度消失していたことが判明した。
MTGOXのマルク・カルプレス社長は28日夕の記者会見で「ビットコインがなくなってしまい、本当に申し訳ない」と謝罪した。消失したのは顧客分75万ビットコインと自社保有分10万ビットコイン。金額にして「114億円程度」としているが、他の取引所の直近の取引価格(1ビットコイン=550ドル前後)で計算すると、470億円前後になる。

日本経済新聞(2014/2/28付)

 

当時の社長であるマルク・カルプレス氏は、記者会見で「サイバー攻撃」による消失だと主張しました。

実際に、警察にも被害届や刑事告発を行ったようです。

 

さらに、マウントゴックス社としての民事再生法も申請しました。(要は"破産した"ということです)

民事再生法の申請に至った理由は、「ビットコインと預かり金の消失により、負債が急増したため」としています。

 

 一気に500億円程度の損害を受けてしまったとしたら、ほとんどの企業が破産になってしまいますよね。

 

マウントゴックス事件の真相とは

ここまでで述べたことが全てであれば、「マウントゴックス社のセキュリティが弱かったのだろう」「ビットコインって、やっぱり危ないな」となってしまう話だったかもしれません。

 

100%正確なことを言えば、現在(2018年1月)も裁判中の事件ですので、完全に真相が明らかになっているわけではありません。

しかしながら、マウントゴックス事件の真相に近づくための手掛かりが次々に出てきているのは確かです。

 

最初に疑いが強くなったのは、社長のマルク・カルプレス氏による横領です。

 

実は、ビットコイン関連のデータを操作できたのはカルプレス氏だけだったこと、自分名義の口座データを不正操作してビットコイン残高を増やしていたことが分かったため、マウントゴックス事件は社長自身による犯行だということが濃厚になってきました。

 

実際に、マルク・カルプレス氏は業務上横領等の罪で起訴され、現在も係争中です。

(なお、カルプレス氏は一貫して無罪を主張しています)

 

これで終わりなら「社長が犯した犯罪」で話は終わりだったのですが、実はそうでもない可能性が出てきています。

 

2017年7月25日、ギリシャにおいてアレクサンダー・ビニックというロシア人が逮捕されました。

この件については、ロイター通信が詳しく報じています。

 

 米検察当局は26日、40億ドル以上のマネーロンダリング(資金洗浄)に関与したとして、ビットコイン取引所の運営者でロシア人の男を起訴したことを明らかにした。
起訴されたのはビットコイン取引所「BTC─e」の運営者とされるアレクサンダー・ビニック容疑者(38)で、ギリシャ北部の村で逮捕された。 米当局は、ビニック容疑者は東京のビットコイン取引所「マウントゴックス」の破綻にも関連したとみている。
ハッキングによりマウントゴックスから資金を「入手」し、BTC─eと自身がもつ別の取引所を通じて資金洗浄した疑い。

ロイター通信

 

アレクサンダー・ビニック氏はロシアのビットコイン取引所である「BTC-e」の関係者(オーナーの一人という説あり)であり、6年で4,400億円相当のビットコインを用いてマネーロンダリング(資金洗浄)を行っていたと言われています。

 

このアレクサンダー・ビニック容疑者がマウントゴックス事件の真犯人であるというのが、2018年1月現在で最も有力な説と言われています。

 

 この「アレクサンダー・ビニック真犯人説」が正しい場合、マルク・カルプレス社長は子悪党で、自分の口座のビットコインを少しずつ増やしていたら、本物の大悪党(ビニック氏)にビットコインを全て盗まれたということになりそうですね。

 

原因と対策:マウントゴックス事件を教訓として

長くなりましたので、ここまでの経緯をまとめましょう。

真相によりますが、マウントゴックス事件で起こったとされていることは以下の2つです。

  • マルク・カルプレス社長が自身の口座のビットコインを増やしていたこと。
  • アレクサンダー・ビニック容疑者がマウントゴックス社のビットコインをハッキングで奪取したこと。

 

この原因は以下の2つです。

  • 内部犯行が可能な、ずさんな管理体制
  • ハッキングを許した、取引所のセキュリティ体制の弱さ

 

マウントゴックス事件は多大な被害を出した大事件でしたが、ビットコイン業界はこれを大きな教訓として対策をとったようです。

大手取引所「コインチェック」COOの大塚雄介氏は、自身の著書でこう述べています。

 

マウントゴックス事件と同じことが別の取引所でも起きる心配はないのでしょうか。

結論から言うと、現状ではまずあり得ません。

(中略) 全体を100とすると、そのうちの数%しかオンライン上に置かず、それ以外はインターネットから物理的に切り離して、オフライン環境で厳重に保護してあります。

(中略) 誰か一人の権限で扱えるようになっていると、つい出来心で顧客の資産を流用する人が出てこないとも限らないので、ヒューマンエラーを排除するために、複数の人が承認しないと送れない仕組みも取り入れています。

いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン

 

要は、以下の2つの施策をとったということですね。

  • ビットコインの操作時の複数承認を必須にして管理体制を強化
  • ほとんどのビットコインをオフライン管理にしてハッキングを防止

 

これは非常に効果的な対策であり、マウントゴックス事件が起こった当時より格段に意識・管理体制が高まっているといえます。

しかしながら、これで安心なのかというと、私にはそうは思えません。

 

 2018年1月28日追記:やはり 「安心」ではありませんでしたね。大手取引所「コインチェック」COOの大塚雄介氏は完全に嘘つきであり、NEMはすべてホットウォレットでの保管となっていました。その結果として、仮想通貨史上最大、580億円の流出事件を引き起こしました。くわしくはこちらのコインチェック事件の記事へどうぞ。

 

オンライン管理のビットコインは相変わらずハッキングで盗めますし、マウントゴックス事件後も「盗まれた実績」があります。(日本ではありません)

複数承認の件も、「CEO」「COO」「情報システムのトップ(CTOやCIO)」がグルになったら終わりです。

 

筆者は個人投資家として、FX(外国為替)、金地金、原油、国内株式、海外株式(米国・欧州・ロシア)、そして仮想通貨と実に様々なものをトレーディング・投資してきました。

この中で、忘れると常にひどい目に遭ってきた「投資家として絶対に忘れてはならない鉄則」をご紹介します。

 

投資を行う際には、自分の身は最大限自分で守ること。

 

これを忘れた時に、投資家は手痛いしっぺ返しを食らいます。

「取引所が守ってくれる」はほとんどの場合には真実かもしれませんが、万が一真実でなかった時にダメージを受けるのは投資家。つまりあなたと私です。

 

ですので、1つの取引所に何かあっても大丈夫なように、取引所は複数に分散してください。

 

「卵はひとつのカゴに盛るな」とは株式の格言ですが、株式では「分散せず、1番上がる株に集中したほうが儲かる」ので、集中にもメリットがあります。

 

しかし、仮想通貨の場合は違います。

 

例えばビットフライヤーに資産を集中してしまうと、ビットフライヤーに何かあったら終わりなうえに、ビットフライヤーが儲かってもあなたに恩恵はありません。

もちろんコインチェックやZaif、ビットポイント、GMOコイン、DMM Bitcoin、どこに集中させても同じことです。

最低でも2つ以上の取引所への分散を行うべきです。

私は実績や信用度から、ビットフライヤーZaifをおすすめしていますが、たとえ実績や信用度に劣る取引所であっても分散されていないよりはマシなので、好きなところで良いです。

 

悪いことは言いません。

いつ次の「マウントゴックス事件」が起こっても大丈夫なよう、資産は分散しておきましょう。

安心・安全にビットコイン・仮想通貨投資を行うには?
俺のビットコインの投資法

ビットコイン等の仮想通貨に投資する際には、大きな2つのリスクがあります。

 

一つは取引所のリスク
2014年の「マウントゴックス事件」のように取引所が不正をしてつぶれたり、ハッキングされたりするリスクがあります。

もう一つは価格変動のリスク
ビットコインのボラティリティ(価格変動幅)はドル円の10倍とも言われます。仮想通貨は大儲けも大損もするのが特徴です。

 

これを避けるため、当サイト「俺のビットコイン」では、二つの分散をおすすめしています。

一つ目の分散は取引所の分散
国内大手取引所に分散して仮想通貨を預けることで、取引所のリスクを軽減できます。

二つ目の分散は仮想通貨の分散
ビットコインだけもつのではなく、アルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)にも分散して投資することで、下落リスクを軽減できる可能性があります。

 

国内大手取引所の組み合わせとしては、会社の信頼性や財務基盤の強固さ、取り扱いアルトコインの種類から「ビットフライヤー」「GMOコイン」「DMM Bitcoin」の3社をおすすめしています。

 

ビットコイン・仮想通貨取引所「ビットフライヤー」「GMOコイン」「DMM Bitcoin」へのご登録はこちらから。(10分程度で完了します)

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